ビブラマイシンというクラミジアの治療薬をご存知?

クラミジア感染症の治療には抗生物質の投与が有効です。クラミジアで治療薬としてよく使用されているのはビブラマイシンという抗生物質です。
テトラサイクリン系抗生物質に分類されるビブラマイシンの主な有効成分は、塩酸ドキシサイクリンという物質です。
塩酸ドキシサイクリンの作用機序は、細菌のたんぱく質の合成を阻害することで繁殖を抑制し、最終的には死滅させることにあります。
より敷衍すると、細菌はたんぱく質を合成して成長する際には、DNAの遺伝子情報が、mRNAに転写されてたんぱく質が合成されます。
このmRNAからたんぱく質の合成のための遺伝子情報翻訳の際に活動するのが、リボソームと言う器官です。
塩酸ドキシサイクリンはこのリボソームに先立って結合することで、リボソームとmRNAとの結合を防止し、細菌のたんぱく質の合成を阻害する作用があります。細胞に不可欠なたんぱく質を作成できない結果、細菌は死滅することになります。

このような細菌に対する作用機序を有する、塩酸ドキシサイクリンを主成分とするビブラマイシンは、クラミジアに優れた効果を発揮します。
ビブラマイシンの効果としては、1-2週間程度の服用器官でクラミジアを体内から死滅させる効果があります。
ただし飲み方には特徴があり、初日は1回2錠(200mg)を1日1回、又は1回1錠100mgを1日2回に分けて服用します。2日目以降は1日1回100mgを服用します。
全体として1-2週間の服用期間でクラミジアを体内から消滅させることが期待できます。
ただしビブラマイシンは一度でも服用を忘れると、生き残ったクラミジアが耐性を獲得する危険性があるので、飲み忘れないように厳重に自己管理する必要があります。
なおビブラマイシンはクラミジア治療薬としては先発薬に位置付けられるため薬価が高いのが現実です。そこで薬価を抑えたいならジェネリック医薬品を利用すると、同等の効果でコストカットできます。
ビブラマイシンのジェネリック医薬品としてはドキシシップがあります。

ビブラマイシンはニキビ治療にも使われる

ビブラマイシンはテトラサイクリン系の抗生物質として、抗菌スペクトラムが広いのが特徴です。クラミジア、ブドウ球菌、レンサ球菌、大腸菌、肺炎球菌など人間の代表的な多くの細菌に有効です。
ビブラマイシンはクラミジアの他にも塩酸ドキシサイクリンに感性を有する細菌に起因する気管支炎、咽頭炎などの上部気道感染症や慢性皮膚膿皮症など広汎な感染症に効果を発揮します。特に気管支炎ではよく治療薬として使用されます。
意外なことですが、ビブラマイシンはニキビ治療薬として皮膚科で処方されるケースが多いのも特徴です。ニキビの原因は皮脂を栄養にするアクネ菌が増殖し、毛穴で炎症を起こします。
炎症のもとになる細菌にもビブラマイシンの主成分、塩酸ドキシサイクリンが殺菌作用を発揮しニキビの炎症の改善に効果を発揮するものと考えられています。
日本皮膚科学会では、抗菌薬の中でも炎症効果の高い「炎症性皮疹に強く推奨する」治療薬に位置づけられていることからも、ニキビ治療によく処方されるのも頷けます。

ビブラマイシン及び、そのジェネリック医薬品であるドキシシップを服用するに際して、注意が必要なのは副作用の問題です。ビブラマイシンは胃腸への負担が大きく、副作用も胃の不快感や吐き気、下痢といった消化器症状が多く見られる傾向があります。
製薬メーカーの資料によると、悪心、嘔吐、食欲不振等の副作用が報告されています。特に高齢者ではこの傾向が強いとされているので注意が必要です。
また特徴的な副作用として、歯の着色やエナメル質形成不全のリスクがあるため、歯の形成時期にある8歳未満の子供では厳重な管理のもと使用されます。
ビブラマイシンはクラミジア治療薬として優れた効果を有していますが、服用に際しては飲み忘れずきちんと服用し、吐き気や下痢など消化器症状の副作用には注意してください。